素敵ストーリーコンテスト
 暮らし
「赤いつり橋の思い出」

赤いつり橋の思い出

子どものころから、この赤いつり橋は私の自慢の場所だった。自分にとって大切な人や、自分のことを知ってほしい人だけを、こっそり連れて行きたい場所だった。引っ越していったあの子は、赤いつり橋を見ながらお弁当を食べたことをまだ覚えていてくれるだろうか。ここで大好きな友達とお弁当を食べられることがうれしくて、私は初めてのお弁当作りで見事に怪我したことさえも自慢げに話したことを覚えている。父と息子と散歩に行ったのも、この赤いつり橋だ。まだよちよち歩きの息子を父は優しく抱きかかえ、「ゆうくん、すごいでしょ?きれいでしょ?」とほほ笑んだ。10歳になった息子も、今ではこの場所が大好きだ。私の自慢の赤いつり橋。その思い出の数だけ、私には大切な人がいる。

東栄町在住 佐々木和歌子さんの作品